困難な21世紀を生き抜くための教育
 新しい学習指導要領が2020年度からスタートした(新しい学習指導要領)。アクティブラーニングなどの協同的な学びを重要視している。
 一方、通商産業省の主導で始まったGIGAスクール構想が進んでいる(現在は文科省主管GIGAスクール構想)。これは米国の巨大IT企業3社、Google、Micrsoft、Appleの教育システムを使ったオンラインによる生徒一人ひとりに最適化の授業である。 令和2年度補正予算:4269億円という規模に国内のIT企業や教育産業が群がっている。GIGAスクールは、ICTや教育に関わる民間企業による(教室でやっても実質は)オンライン教育である。
 最近、STEAM教育が注目され始めた。STEAM教育にICTを使うことが多いと思われるが、直接的には関係ない。どのように進めるかはまだ模索段階であるが、 通商産業省が主導し、民間企業が参入している未来の教室にはSTEAMライブラリーとEdTcheライブラリーがあり、そこに掲載されているコンテンツを利用した学校には補助金を出し、強力に推し進めている。
 発想と理念が異なる新学習指導要領とGIGAスクール構想が混在し、学校の現場は混乱している。
 これまでの公教育の対面授業から民間企業によるオンライン授業へと一気に変えようとするの流れに警鐘をならす書籍が相次いで出版されている。
    デジタル・ファシズム 堤 未果著(NHk出版新書) 2021年8月30日
    教育論の新常識 松岡亮二他(22名)の共著(中公新書ラクレ) 2021年9月10日

 NPO法人らくビットでは、様々な分野で活躍してきた退職者の豊富な人生経験を活かした子どもの健全育成という観点からSTEAM教育を捉えている。 コンテンツやカリキュラムはグループで作るので、参加者一人ひとりはS(科学)、T(技術)、E(工学)、 A(アート)、あるいはM(数学)が苦手でも構わない。。 将来の社会を築いていく子どもたちの育成という目標を持ち、そのための新しい知識と技術の取得は高齢者の生きがいづくりになる。 引いてはそれが健康増進になり、超高齢社会の活性化につながる。 直接合うということが互いの脳を刺激するので対面授業を主とし、事情によりオンラインでも行う。

新しい学習指導要領が2020年度からスタートし、小学校でプログラミング教育始まる

 新しい学習指導要領が2020年度からスタートし、小学校でプログラミング教育始まった。  人工知能 (Artificial Intelligence、AI) が急速に発展し、社会を大きく変えてゆく。AIが当たり前のように使われる時代は、人間の記憶や知識量で勝負する時代ではなくなる。 多くの仕事がAIにとって変わり、大量失業の時代がやってくる。人がやる仕事の質が変わり、最も必要となる素養は創造性だ。  プログラミング教育は、国家的戦略としてIT技術者不足対策という側面と、これからの困難な時代を乗り切ってゆく、創造性豊かな人材の育成にある。
 将来を担う子どもに問題発見・解決力、論理的・批判的思考力、創造力・イノベーション力、コミュニケーション力、コラボレーション力等を育むための手段としてプログラミング思考が有効と考えられ、小学低学年から全生徒が学ぶことになる。 社会との共有、特に地域社会との連携・協働が強調されている。
<社会に開かれた教育課程>
① 社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してその目標を社会と共有していくこと。
② これからの社会を創り出していく子供たちが、社会や世界に向き合い関わり合い、自分の人生を切り拓いていくために求められる資質・能力とは何かを、教育課程において明確化し育んでいくこと。
③ 教育課程の実施に当たって、地域の人的・物的資源を活用したり、放課後や土曜日等を活用した社会教育との連携を図ったりし、学校教育を学校内に閉じずに、その目指すところを社会と共有・連携しながら実現させること。

GIGAスクール構想

 国が強力に進めているGIGAスクール(令和2年度補正予算:4269億円)では、GoogleのG-Suite for Edcationか、Microsoftの育機関向けOffice 365の教育用クラウド、Apple社のクラウドを使い、 それぞれ端末としてChromebook、Surface、iPadを使ってオンライン授業をする仕組み。 これまで1千万台近くのタブレットが配布済み(21年度7月末:Google40%、MicrosoftとAppleが約30%)。 全国の児童生徒がMicrosoftかGoogleのアカウントを取得し、将来も使い続けることになり、GIGAスクール構想は米国巨大IT企業による囲い込みを一層強固にした。
 GIGAスクールでは生徒一人ひとりタブレットを持ち、生徒の能力に応じて最適化されたプログラムに従って学習が進む。教師の役割は小さくなり、日本の教育が巨大IT企業と教育産業に支配されていく。

STEAM教育が注目されはじめた

 STEAMは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた造語。課題を自ら見つけ、その課題を解決するために Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の知識や技術を使い、多角的な面から考え、新しいものを創造する。プログラミングや電子工作は課題解決の方法として使う。
 教科書や参考書にそった受け身の学びは身に付きにくい。STEAM教育は、自ら考える主体的な学びであり、身につき、生涯の糧となることが期待される。好奇心は主体的学びのキッカケになり、STEAM教育でも重要視される。 STEAM教育が目指す探求創造は、教育の根幹である。

STEAM教育の課題

 STEAM教育を具体的にどのように進めていくか。STEAM教育を標榜しているプログラミング教室のカリキュラムを見ると従来と同じであり、 経産省の未来の教室のSTEAMライブラリーにあるコンテンツは、STEAM教育らしい設問はあるが、ほとんど従来の教育教材と変わらない。 Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsを適度に組み合わせ、 それらの知識と技術を使って多角的な面から考え、新しいものを創造するSTEAM教育のコンテンツ作りが課題である。

NPO法人らくビットの取り組み  STEAM教育研究会  プログラミング教室STEAMe!

 STEAM教育は一つの課題に対してS、T、E、A、Mの多角的な面から取り組む、総合的な学びである。 多彩な分野で経験を積んだシニアで構成されているNPO法人らくビットは、会員の豊富な人生経験を活かした子どもの健全育成という観点からSTEAM教育を捉えている。 STEAM教育ではプログラミング(T)や電子工作(E)を取り入れることが多いが、それらができなくともグループの一員として参加できる。 目標を持った、仲間との協働は、生きがいつくりになる。さらに子ども達と触れ合うことはシニアの健康つくりにも良いことがわかっている。 一方、若い人にとってはシニアになる前から生涯現役の準備をしておくことが肝心であり、 先達との交流は役立つであろう。実際、下記のSTEAM教育研究会にはシニアばかりでなく若い人も大勢参加している。 科学技術は急速に進化している。社会も大きく変わっていく。科学技術の進歩や社会の変化にも対応しなければならない。 さらに、教育や教え方についても学ばなくてはならない。そうした学びの場も必要である。
 こうした背景でNPO法人らくビットにおいてSTEAM教育について学び、STEAM教育の題材やカリキュラムを作るSTEAM教育研究会が始動した。
 プログラミング教室は、課題の中でプログラミングばかりでなく、適時S、T、E、A、Mを実践するので、名称をSTEAMe!とした。
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