体験!
格安・超小型名刺サイズパソコン
ラズパイ
Raspberry Pi
開催日 2017年11月26日(日)
時 間 午後13時30分〜16時30分
場所  小金井市萌え木ホール(商工会館3階)
     連雀通り、小金井市役所第1庁舎斜向かい
参加費 300円 (資料代)
主催 NPO法人らくビット
   NPO法人シニアSOHO小金井 Ubuntu倶楽部
後援 小金井市教育委員会
 約1時間の講演後(概要下記)、ラズパイを使ったパソコン、Scratchプログラミング、ロボット操作を体験した。
熱心な受講者が多く、主催者側のスタッフ(下記)との質疑応答、情報交換など活発なやりとりで盛り上がった。
ラズパイを初めて見たという人が多く、その性能の良さ、使い道の多様性に感心し、ラズパイを使い始める機会になったようだ。

有料受講者:22名
スタッフ:17名
  司会 川口尚文
  講演 大橋元明
  実演・体験
   A.パソコン      斎藤純、髙橋儀一
   B.プログラミング    白井進、久道健三、本木宏昭
   C.電子工作・ロボット  小林茂信、石川安夫、武田光市
   D. ラズパイ直結機器 測定センサーによる各種測定:小林、 Pi-DACによるハイレゾ音楽再生:大橋
  設営および応対 加賀谷公一(写真)、大島浩、羽田篤史、櫻井真麗、吉野恭子、五十嵐均、大橋芙志子(受付)
razupaiKatsuyo 
スタッフ一同
後片付けを終えて スタッフ一同 
司会
司会のご案内でスタート
 
講演を聴く
 

講演 ー要約ー     大橋元明  NPO法人らくビット代表理事

1. 課題  
1. 人工知能時代始まるー特化型AIから汎用AIへ(2030年〜) 社会の大転換 大量失業?
           地球環境の悪化、人口爆発と食料難、、、難題山積
2. 21世紀型スキル
特に問題発見・解決力、論理的・批判的思考力、創造力、コミュニケーション、コラボレーションを育むためのプログラミング教育
3. 子ども向けのビジュアルなプログラミング言語・Scratchは 子どもも大人も楽しい 達成感が簡単にえられる 家族や友達と会話 役立つ
4. 欧米やアジア各国に比べ遅れている日本 2020年から小学校で必須化(いろいろな教科の中でプログラミングを導入)
5. 日本のプログラミング教育推進の課題と解決策の提案
    ①プログラミング教育の教員が足りない     → シニアの支援 (高齢社会の課題解決の一つの糸口として)
    ②コンピュータの台数不足(1人1台からほど遠い) → 格安のラズパイと無償OS、アプリの使用 (財政難対策として)

6. 超高齢社会における高齢者自身の課題
  高齢者の8割が健常者、その8割が20−40年間も 社会参加せず生涯を終える・人生100年時代の課題
  豊かな人生を送るための3要素ー健康、頭を使う、社会参加・対話 → 健康寿命が伸び、社会保障費の軽減に貢献
7. NPO法人らくビットの目的と活動について
2.ラズパイ の魅力
1. 教育用のパソコンとして開発(英国、Raspberry Pi 財団 代表Eben Apton)、2012年発売以来高機能が人気になり、多目的に使われている。
2. ラズパイは英国、中国、日本で生産・年間1000万台、日本ではSonyの稲沢工場で生産、多目的に使えるので半分は工業製品に使われている
3. ラズパイの構成 通常のPCの機能に加え、各種電子機器とつなぐ40ピン、HDDに替わる差し替え可能なマイクロSDカード等が装備
4. ラズパイの特長 ①5−35ドル(600円ー4500円)の低価格、②高機能、パソコン以外に電子工作、ロボット、AI等多目的に使える 
         ③差し替え可能なマイクロSDカードで多種のOSが使える ④省エネ 1−2W ⑤超小型軽量

5. ラスパイ用のOS Raspian、各種のUbuntu、マルメディア、ハイレゾ、教育、IOT、サーバーなど目的に特化した多数のOSがカードの差し替えで使える
6. Linuxはオープンソースソフトウエア(OSS)の代表的存在、OSSを選ぶ理由①安価(無償)②安全性が高い③ベンダーロックインでない④より良い品質
7. プロプリエタリーソフトウエア(Windows、Mac)と対比したオープンソースソフトウエア(Linux)の利点:ソースも開発も公開、無償、複製・配布・改変自由
8. Linuxには、Ubuntu、Raspbian、Debian、Android(スマホ)、Chrome、RedHut、RobotOS等100を超えるOS(Linuxディストリビューションと呼称)がある
9. Linuxは宇宙、スパコン、サーバー、クラウド、パソコン、スマホ、IOT、AI、ロボットなど多方面で席巻、私達は毎日Linuxを使っている
10. AI、ロボット、自動運転のOSはLinux、中でもUbuntuが席巻、マイクロソフトの変身:オープン・ソースに積極参加、Windows10の中でUbuntuが使える
11. 格安のラズパイで高性能な各種のLinuxが使える 使うときはOSを意識する必要はなくラズパイで手軽にLinuxが使える(スマホのAndroidのように)
12. ラズパイならではの使い方 ①目的に即したOSを使う ②状況に応じて周辺機器を選べる ③教室⇔家庭間の持ち運び ④ラズパイ直結機器の活用
13. ラズパイはプログラミング教育用として最適、電子工作もできる、子どものスマホ中毒予防にも
3.パソコンとして使う ラズパイならではの特長
1台で色々なOSが使える
普通のパソコンではできない使い方ができる
パソコンとしても使いやすく、コストパフォーマンスが高い

ラズパイ専用のUbuntu MATEを使う 
      最新版:Ubuntu MATE 16.04.2
Ubuntu MATEのインストール時に
        LibreOfficeなど沢山のアプリもインストール
ラズパイで使える代表的な無料アプリと
対応する有料アプリと使用料    右表 ⇒
以下を実演
 LibreOfficeは、最初からWriter(MSOfficeのWord に対応)、Calc(Excel)、Impress(Powerpoint)、Draw、Baseを統合して開発されたオフィススイートであり、それらの連携がスムーズ。起動が早い。
 Inkscape(高価なIllustratorに相当する無料アプリ)を起動し、そこで作成した図をWriterに貼り付け。Writerでは上下左右0.1mm単位で文字の移動ができる。またPDFアイコンをクリックするだけでPDFファイルを作成!
アプリ比較
4.プログラミング教育 2020年より小学校で必須化
1. ラズパイはプログラミング教育に最適
 お子様向け Scratchプログラミング言語が使いやすく、ロボット操作もできる
 格安で家計への負担が少ない お子様用に購入、自分で管理して自主性が育つ
 超小型教室と家庭間の持ち運びが楽 家ではテレビにつないで親子一緒に見ることもできる
 決まった場所(ディスプレーのある場所)でしか使えないので使い方のけじめがつく
2. 子供向けのビジュアルなプログラミング言語 Scratch
 MIT メディアラボで開発 ブロックの組み立て オンラインとオフラインで使える
  オンラインのリミックス : 公開、他の人が改変・改良できる
3. Scratchの構成と使い方の基本
Scratchの構成は、ステージに登場する人・動物・モノなどの「スプライト(Sprite)」が一つから複数あり、 各スプライトそれぞれに「スクリプト(Script)」、「コスチューム(Cosutume)」、「音」の属性が付いている。
スクリプトは、命令のブロック。ブロックを組み立ててプログラムする。
Scratchの構成
Scratchの画面
Scratchの
5.電子工作 ロボット
ラズパイの最大の特長
 他のPCにはないピンヘッダー(右図)に
     様々な電子機器と繋いで電子工作ができる
 Scratchプログラミングで
     電子工作品やロボットを操作できる

ラズパイ直結でIoTやAIもできる専用機器が続々登場
40本のピンの役割は決まっていて (右図)
 1番ピンはラズパイを通ってきた3.3V電源出力
 2番ピンはラズパイを経由しない5V電源出力
など
GPIOはGenaral Purpose Input Outputの略で
プログラムによってインプットとアウトプットを制御する。
電子工作は、ブレッドボードに差し込んで配線(右図) ハンダ付けがいらない
右図は、最も簡単な電子工作として有名な「Lチカ」
             (LEDが1秒毎に点滅)
 ラズパイのピンヘッダーの12番端子から3.3Vの電流がLEDのカソードに流れ、 100Ωの抵抗を経てグランドに流れる。 12番端子から1秒間出力・1秒間停止を繰り返すとLEDが1秒毎に点滅する
40ピンヘッダー
40ピンヘッダー
ブレッドボード
ブレッドボード
ラズパイ直結機器の例  ハイレゾ音楽の再生
ハイレゾはより生の音に近い
サンプリング周波数 量子化ビット数
CD 44.1キロヘルツ
1秒間に4万回サンプリング
16ビット
約6万5千段階
ハイレゾ 192キロヘルツ
1秒間に17万回サンプリング
24ビット
約9万8千段階
ハイレゾDAC