Raspberry Pi 5 : NVMe-SSD起動とマイクロSD起動を併用したコスパの高い活用

Raspberry Pi財団から公式の256GB NVMe M.2 SSDが発売され、NVMe SSD起動ができるようになりました。
これによりディスクからの読み書きが圧倒的に早くなり、PCIe 3.0に対応させると更に早くなります。
「Raspberry Pi 5に公式SSDを接続して起動ディスクに設定する手順まとめ&SSDとmicroSDカードの速度比較」 についてはこちらを参照
 Raspberry Piは、Raspberry Pi Imagerにより沢山の様々なOSをカードに書き込むことができるので、マイクロSDカードを交換すれば沢山のOSを使うことができます。 USB-SSD起動とマイクロSD起動の切り替えにより2台分の働きをさせることができます。さらに、マイクロSDカードを交換すれば多種多様なOSを使うことができます。
 Raspberry Pi特有の装置としてGPIOがあります。パソコンとしての使い方にこれを活用することも考えられます。
Raspberry Piで使うOSとアプリは全て無償です。

PCI-Expressは「Peripheral Component Interconnect-Express」の略称でパソコンのパーツ類を接続する、高速でデータ転送可能なシリアルインタフェースで、グラフィックボードなどの接続に使われます
詳しくはこちらをご参照ください

NVMeは「Non-Volatile Memory Express」の略で、SSDをはじめ、不揮発性メモリを使用したフラッシュストレージのために最適化された通信プロトコル
NVMeについてはこちらをご参照ください

目次
1.USB SSD起動とマイクロSD起動を切り替えにより1台で複数のOSが使える!
2.Raspberry PiはいろいろなOSが使える
3.Raspberry Pi 5にNVMe M.2 SSDを装着する
4.マイクロSDカードの内容をNVMe M.2 SSDに書き込む
5.PCIe 3.0で動作させる
6.マイクロSDカード起動とSSD起動の切り替え
7.マイクロSDカードのファイルをSSD起動側で編集
8.かかった経費
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1.USB SSD起動とマイクロSD起動を切り替えにより1台で複数のOSが使える!

Raspberry Pi 1台で2台分の働きができる。

使用例
USB-SSD起動は通常のパソコンとして常時使用する
マイクロSDカード起動は、いろいろなテストをしたり、いろいろなOSを使うとき使う。

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2.Raspberry PiはいろいろなOSが使える

2.1 Raspberry Pi ImagerからインストールできるOS

汎用OS (Raspberry Pi 以外を表示)

Ubuntu         Apertis         RiscOS         UltramarineLinux         UltramarineLinux        

Media Player OS

LibreELEC         OSMC         Volumio         moOde audio player         piCorePlayer        

Emulation and game OS

RecalBox         RetroPie        

Other Specific-purpose OS

3Dprinting         Home Assitant         KaliLinux         Full Page OS         MoodleBox        

Falcon Player         DAKboard         VEX Tourmament Manager         Anthias         Freedom Box         Web3 Pi        

Freemium and paid-for OS

3Dprinting         Digital Signage OS         Android by emteria         TLXOS        

Misc utylity images

Bootloader         PINN        

2.2 ダウンロードしてインストールできるOS

Ubuntu MATE         Windows 11         Android        

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3.Raspberry Pi 5にNVMe M.2 SSDを装着する

Raspberry Pi 5にRaspberry Pi M.2 HAT+を装着し、それに256GB NVM M.2 SSDを取り付ける


Raspberry Pi 5に アクティブクーラーと(Raspberry Pi M.2 HAT + 256GB NVM M.2 SSD)を装着する
装着
折りたたむ
ケースに入れる

GEEKWORM ラズパイ5用PCIe ケースに格納

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4.マイクロSDカードの内容をNVMe M.2 SSDに書き込む

Raspberry Piを起動し、メニューのアクセサリーSD Card Copierを起動

「Copy From Device(コピー元デバイス)」にmicroSDカード、「Copy to Device(コピー先デバイス)」にRaspberry Pi SSDを指定

「New Partition UUIDs」にチェックを入れてから「Start」をクリック。
マイクロSDカードの内容が丸ごとNVM M.2 SSDにコピーされる。

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5.PCIe 3.0で動作させる

Raspberry Pi SSDはPCIe 3.0に対応しているので、興味のある方はお試しください。
「/boot/firmware/config.txt」を開き

~ $ cd /boot/firmware/
/boot/firmware ~ $ sudo nano config.txt

「dtparam=pciex1 gen=3」を追加する。

~ $ reboot

参照:ディスクへの読み書き速度は、マイクロSDカードに比べSDD起動でPCIe 3.0にするとPCIe 2.0に比べ2倍ほど早くなりますが、 Raspberry pi 5ではPCIe 3.0でどのくらい速度が上がるかは認定されていません。


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6.マイクロSDカード起動とSSD起動の切り替え

raspi-configの起動

ohashi@raspberrypi:~ $ sudo raspi-config

①Advanced Optionを選択
②Boot Orderを選択
③マイクロSDカード起動を選択する場合 ③NVMe M.2 SSD起動を選択する場合
④矢印キーで「了解」 ⑤矢印キーで「select」
④矢印キーで「Finish」 ⑤矢印キーで「はい」で終了


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7.マイクロSDカードのファイルをSSD起動側で編集できる

NVMe-SSD起動するとデスクトップ画面にbootfsとrootfsのアイコンが出現。
rootfsのアイコンをクリックするとマイクロSDカードのOSのhomeにあるファイルをNVMe-SSDのRaspberry Pi 5のアプリを使って高速で編集できます。


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8.かかった経費

Raspberry Pi 5、NVM M.2 SSDセット等実際にかかった経費です(全て税込み価格)。
Raspberry Pi 5 8GB 14,960円 KSY
Raspberry Pi M.2 HATと256GB NVM M.2 SSDのセット    7,260円 KSY
アクティブクーラー       990円 KSY
ACアダプター 5.1V/5.0A     2,387円 スイッチサイエンス
GEEKWORM ラズパイ5用PCIe ケース P579     2,162円 北摂軽太郎便(楽天)
マイクロSDカード     1000円前後  32GB, 64GB
合計 28,757円

周辺機器、機材
ワイヤレス キーボード+マウス
ロジクール ワイヤレスコンボ MK245 NANO 日本語配列
   3,366円 ヨドバシカメラ
液晶ディスプレイ
Acer/AlphaLine/27型ワイド/フルHD(1920×1080)/
17,604円 ヨドバシカメラ
HDMIケーブル タイプAオス-タイプDオス(micro) 2m       250円 秋月電子
合計 21,220円
これらは、既にあれば購入する必要はありません。
上記はワイヤレスキーボード・マウスセット、27インチディスプレーで少し高くなっています。

マウス、ケーブル類まで含めて一式5万円くらいで高速のNVMe-SSD付きのRaspberry Piを購入できます。
ディスプレー、キーボードなどがあれば、3万円以下で済みます。


OSとアプリは全て無償で使えます。   ラズパイで使えるアプリ

コストパフォーマンスに優れ、多彩な使い方ができるRaspberry Piはこれからのパソコンとして期待されます。
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