人に優しい、環境に優しい、内容が易しい

やさしい電子工作

モーターを回そう

モーターの回転速度を落とす

  DCモーターは適切な電圧範囲で高速回転し、電子工作では回転速度を落とす必要がある。2つの方法に分類される。
   ①機械的に回転速度を落とす方法
   ②電圧を下げて回転速度を落とす方法

機械的にモーターの回展速度を落とす

歯車(ギア)を使う

 自転車の変速や車の変速で使われている。回転速度を下げると回転力(トルク)が増す。坂道を登るとき、回転速度を落として回転力を大きくする。

 受けて側の歯車2の半径r2が駆動側の歯車1の半径r1の2倍とすると、歯車2のトルク(回転力)T2は歯車1のT1の2倍になり、回転速度は1/2になる。
歯車1と歯車2の回転方向は逆になる。

ギアで回転数を変える

電子工作ではタミヤのギアボックス(ミニモーター付き)が手頃に使える。
タミヤギアボックス
タミヤのミニモーター標準ギヤボックス (8速)

プーリーを使う

駆動側と受け手側の距離が歯車の直径より大きいときは、プーリー(pulley)を使う。離れた2つの軸にプーリーを付けてベルトで駆動を伝える。プーリーとベルトの摩擦力により回転の運動が伝わるので滑りが生じる(1-2%)。 電子工作ではバルトの替わりに輪ゴムが便利。

ギアで回転数を変える

タミヤギアボックス
タミヤのプーリーユニット(モーター付き)

電気的にモーターの回展速度を落とす

パルス幅変調(PWM)を使う

LEDの光る強さをPWMで弱くしたように(参照、モーターにかかる電圧を下げて回転速度を下げることができる。

モーターをPWMで速度を落とす

 Highの時間を短くすれば少し回って止まろうとするが、慣性があるのでさらに回り、またHighになり回るを繰り返し回るので回転速度は遅くなる。 周期が長すぎると慣性だけでは追いつかず、モーターは止まり、またまた回るを繰り返すので回り続ける周期も重要になる。 Highの割合を大きくするとモーターは長く回るようになり、回転速度は早くなる。
 1周期中のHighの割合をデューティー比という。デューティー比を下げればモーターの回転速度は遅くなる。 PWMを使用すると、フルトルクのパルスを確実に取得できるため、モーターを非常に遅い速度で駆動できる。